脳のしわと額のしわの関連性
人間の大脳には、脳のしわと呼ばれる溝が山のようにあります。
これは生まれる前の胎児の段階で、成長に従って出来ていくものです。
多少の個人差がありますが、どこにどういった溝が出来るかはおおよそ決まっています。
溝は、人間の頭の大きさが限られる中において脳の表面積を大きくするためにあるものです。 このために、頭が大きいほど、またしわの数が多いほど頭がいいという俗説があります。
生物学的に溝が多く複雑な構造をしている生物は、知能が高い傾向はあります。 これは個人間ではなく、例えばほ乳類や鳥類の脳は魚類や両生類のそれに比べて巨大かつ溝が多いというものです。
人間において必要な溝が足りない場合には問題があるという研究報告があります。 しかし才能や頭の良さを示すような溝のパターンは今のところ見つかっていません。 つまり、溝の数が多いほど頭がいいという単純な意味はないと言えます。
さらに、勉強をしすぎると頭に溝ができすぎて額にしわが出来るという俗説を聞いたことはありませんか。 額との間には頭蓋骨があるので、脳みその状態がそのまま額に出るわけではありません。
また、溝は胎児の段階で出来ているのであり勉強により溝が増えることはないのです。 このことから特に関連性はないというのがわかるでしょう。
一方で、別の視点から考えてみましょう。 勉強に限らず物事に熱中すると、表情筋の動きがとぼしくなります。 その結果、顔の筋肉が衰えてしまいしわになりやすいという考え方はあながち嘘ではないとも言えます。
顔にしわを作らないためには、保湿と表情を動かすというふたつの努力が必要です。 よくしゃべりよく笑うことはストレスを発散するだけでなく、顔の運動としてもいいことなのですよ。